PM2.5の人体への影響
PM2.5の人体への影響とは
PM2.5とは、微小粒子状物質と呼ばれその大きさは2.5μm(マイクロメートル)
以下の小さなもので、人間の髪の毛が大体0.05㎜~0.15㎜ですので
PM2.5の粒子は20~60分の1程度となり、その小ささがわかると思います。
このPM2.5と言う事は、2013年1月ごろよりマスコミで取り上げられる
ようになりました。
日本の基準はSPMと呼ばれ、欧米に多いPM10より小さなものを対象と
していて、測定基準によりPM10は10μm以下の物が50%以上含まれると
いう基準ですが、SPMは6.5 – 7.0μm以下の小さな微粒子を対象と
した基準なのです。
いずれにせよ、サイズが小さくなれば人体に対する影響が重大と
なってきます。
微粒子が人体の呼吸で吸入されると、鼻や喉、気管や肺などに沈着
して健康への影響が出てきます。
人間の肺の構造は、気管から気管支と細くなっていき最後は血管など
で酸素を交換する肺胞と言うものがあります。
微粒子がそんなに小さくなければ、気管とか気管支に沈着して、
絨毛細胞と言うものが、これらの異物を排出する役割があって
やがて、タンなどとなって気管から排出されます。
ところがこの微粒子が概ね5μm以下になると肺胞にまで達し始め
肺機能の低下や肺の毛細血管への刺激や呼吸困難、肺気腫などが
発症して、心疾患・肺疾患・肺癌による死亡との有意な関係が
あるとアメリカがん学会では言っています。
このようにPM2.5のような微細なものにさらされると、健康被害が
発生する可能性があり、環境基準により各自治体で注意情報などが
出されることになっていますので、特に日本の西側に住んでいる
人は注意するようにしてください。
対策としては、汚染がひどい場合はマスクをしたり、出来るだけ
外出をしないなどの対策が必要です。
注意喚起のための暫定的な指針
平成25年に大気汚染及び健康影響の専門家による会議で注意喚起の
ための暫定的な指針というものが提示され環境省によりその指針が
発表されています。
この指針はどういったものかと言うと、PM2.5の大気中の濃度に
より、我々がどういった対応をする必要があるかということの
指針となっています。
この表を見ると、1日平均で70?/立方メートルを超えると、不要
不急の外出を避けたり、激しい運動も避けるべきで、特に呼吸器疾患が
ある人や、小児や高齢者など高感受性者は慎重に行動することが必要と
されています。
中国のハルビンや上海などでは600?/立方メートルとか1000?/立方
メートルなどとんでもない濃度になっています。
このような高濃度のPM2.5などの大気汚染物質が、中国から偏西風に
乗って日本にやってきますので、迷惑なことです。