NPO法人とはどんな法人でメリット・デメリットは?
NPO法人とは
NPO法人のNPOとは、「Nonprofit Organization」の略で言葉の意味合いは
非営利団体と言ったことになりますが、NPO法人は特定非営利活動促進法に
規定された特定非営利活動法人のことを言います。
この法律が出来る前は非営利団体が法人格を持つためには、社団法人や
財団法人(いずれも旧法)にならなくては法人格が取れなかったのですが、
この当時の社団法人や財団法人と言うものは、現在の公益社団法人や
公益財団法人の要件を満たす必要があったので、いわゆるボランティアの
法人化は無理だったのです。
ところが阪神淡路大震災が起こり、大災害となりましたが、民間の
ボランティアが精力的に復旧に尽力くださり、そのボランティアは
任意団体として活動していましたが、団体として法人格を与えた方が、
組織として都合がいいと言ったことで、これまで法人化が難しかった
このような団体の法人化について、法制化がされ、1998年3月成立の
特定非営利活動促進法により法人化が出来るようになりました。
NPO法人の要件とは
ただ、何でも法人化が出来ると言う事でもなく、特定非営利活動促進法
では、以下の20のいずれか(複数でも可)の目的で設立されたもので
無ければ法人化が出来ないと定めています。
法が出来た当初は17個の目的でしたが、改正され現在は20個に増えています。
20の活動分野の目的
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
- 社会教育の推進を図る活動
- まちづくりの推進を図る活動
- 観光の振興を図る活
- 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
- 学術、文化、芸術、又はスポーツの振興を図る活動
- 環境の保全を図る活動
- 災害救援活動
- 地域安全活動
- 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
- 国際協力の活動
- 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
- 子供の健全育成を図る活動
- 情報化社会の発展を図る活動
- 科学技術の振興を図る活動
- 経済活動の活性化を図る活動
- 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
- 消費者の保護を図る活動
- 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡・助言又は援助の活動
- 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
次にこの他の要件を見てみましょう。
NPO法人になれる要件
- 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること
- 活動の対象が不特定多数であること
- 営利を目的としないこと
- 社員の資格の得喪に関して不当に条件を付さないこと
- 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
- 宗教活動や政治活動を主たる目的とするものでないこと
- 特定の公職者(候補者を含む)又は政党を推薦、支持、反対することを目的とするものでないこと
- 暴力団でないこと、暴力団又は暴力団の統制の下にある団体でないこと
- 10人以上の社員(会員)を有するものであること
上記の中で、重要なものは、当然非営利ですが、このほか対象が不特定
多数と言う事で、たとえばNPO法人○○大学同窓会といった特定の団体の
ためのNPO法人は認められません。
それと、社員(会員)の入社について、たとえば○○市の住民だけとか、
○○高校の卒業生だけと言うような制限を付けることはできません。
同様に、入会金50万円といった高額の入会金で制限をかけることもやはり
認証が下りません。
ここで非営利という意味ですが、みなさん儲けてはいけない法人のようにお考えですが、
この非営利という意味は、儲けを株式会社のように配当してはいけないという意味で
決して儲けてはいけないということはなく、逆に法人継続のためのマネジメントを
しっかりしていかないとだめです。
NPO法人のメリット・デメリットは
メリット
- 社会的信用が高まる
法人設立により、権利・義務の主体が明確になるため、各種取引における信用が高まるのはもちろんのこと、政府の認証を受けたNPO法人ということで、国家のお墨付きということとなり、組織内容や活動内容においても高い信用を得ることができます。 - 団体が契約の主体になれる
団体名で様々な契約行為が可能となるため、団体名で事務所を借りたり、団体名で物品を購入したりすることが可能となります。また、団体名で銀行口座を持つことも可能となります。そのため、個人と団体との資産を明確に分離させることが可能となります。また契約に伴うリスクは、団体の資産の範囲内で負うに留まります。 - 団体が資産を持てる
車両、事業用不動産といった活動に必要な資産はもとより、山林を取得し自然保護を推進するなど活動の目的に沿った形で資産を取得することが可能となります。そのため、大規模な公益事業を推進することも可能となります。 - 代表者の交代が円滑になる
NPO法人は、団体が資産を保有できるため、任意団体のように代表者交代の度に各種資産の名義変更をする必要がなく、円滑に代表者を交代させることが可能となります。また、任意団体では代表者が死亡された場合には、その資産は代表者の家族が相続することとなり、団体の資産が消滅してしまう恐れもありますが、法人化することにより団体の資産がそのまま団体に残すことができるようになります。 - 資金調達が容易にな
る現在、国や各地方公共団体、公的金融機関等が積極的にNPOの支援に取り組んでおり、各種助成金、補助金等の融資を受けやすくなっております。また、NPO法人への寄付金に対して税制上の優遇措置があるため、資産家からの寄付が受けやすくなっております。そのため、NPO法人を設立することにより、任意団体では不可能な量の資金を調達することが可能となります。 - 公共事業への参加が容易になる
現在、国や地方公共団体においては、主に福祉関係の仕事を中心に、事業をNPOに発注するケースが増加してきております。入札参加申請を行うことにより、国や地方の発注を受けて公共事業に参加することが可能となります。そのため、社会の一翼として重要な事業に参加するチャンスが広がります。 - 節税が可能
個人事業の場合、累進課税といって所得(売り上げから原価や経費を引いた額)の額が高くなればなるほど税率もアップするしくみになっています。これに住民税と事業税を合わせると、最高で所得の67%が税金となります。一方、法人の場合、法人税は年間800万円以下の部分について22%、それ以上の部分について30%と簡素化されています。また、これに法人住民税と法人事業税を合わせても税金は最高で所得の約55%程度ですみます。さらに、NpO法人の場合、収益事業をしない団体にいたっては、まったく税金がかかりませんので、通常の会社法人に比べても比較にならないほどの節税対策が可能です。 - 従業員を雇える
NPO法人は、各種活動を行うために必要な職員を雇用することができます。例えば、本部で事務を行う職員、介護活動を行う介護士、各種教室で指導にあたる教官などを雇い、きちんとした給料や報酬を払うことができますもちろん、厚生年金や健康保険、雇用保険にも加入することができます。そのため、ボランティアの方だけに頼らない組織的な活動ができるようになる他、雇用の受け皿としての社会的役目を務めることもできます。
デメリット
- 財産の名義変更に問題がある
今まで任意団体が所有してきた様々な財産についても、名義を変更しなければなりません。例えば、不動産の場合、名義を変えるためにはいくつかの税金がかかります。その他、自動車や事務所、さらに借入金なども、名義を変更する際にはそれぞれ手続きが必要です。 - 活動内容に制約がある
NPO法人化により、総会又は理事会での合意が必要になり、任意団体の時のように、思いついたらすぐに行動するといった、機敏な活動は一切できなくなります。また、事業内容は定款の制約を受け、事業内容を変更しようとすると定款の変更が必要になります。定款変更のためには、会員の総会を開いて決議をし、さらに所轄庁認証を得る必要があります。すぐに変更できるわけではありません。 - 厳正な事務処理が必要
経理は、正規の簿記の原則に基づいて処理を行う必要があります。よって、ある程度の知識を持った経理担当者が必要になるか、税理士等に経理を代行してもらう必要があります。また、事業所開設に伴い、法人としての種種の届出、手続きも必要ですし、当然変更するときは何ヵ所にも足を運ぶことになります。 - 税務申告義務がある
従来、存在すら分からなかった団体が、法人化することによって納税主体として税務署に認知されますので、当然のことながら、法人として税務申告義務が生ずることになります。ただし、収益事業をしない団体は法人税の対象ではないため、税務申告はもちろん、税務署への届出も必要ありません。しかし、税務署が税法上の収益事業と判断した非営利事業は、法人税の対象となります。
また、法人住民税(約7万円)はすべての法人にかかってきますが、収益事業をしない団体は免除されることがあります。そのためには毎年4月に減免のための手続きをする必要があります。 - 設立に時間が掛かる
会社法人と比べて設立するのに時間がかかります。(会社法人は1ヶ月ほどで設立できますが、NPO法人は最低4ヶ月、通常6ヶ月ほどかかります) - 情報開示が必要
毎年、事業報告書や収支計算書などの資料の備え付けと、その資料の情報公開が義務づけられ、今までは表に出さなかった書類も万人に閲覧されることになります。