大腸憩室炎の症状と治療と予防
大腸憩室炎の症状とは
憩室とは腸の壁が所どころにくぼみが生じることがあり、この
腸のくぼみが休憩室のように感じるので憩室と言われます。
この憩室は日本では主に上行結腸や盲腸に多い右側大腸型と言う
ことですが、欧米人では、主にS状・下行結腸に多い左側大腸型と
言う事ですが、日本でも、食事の欧米化で、左側大腸型が増えて
いるとのことです。
この憩室と言うものは、本来の大腸壁は、このようなくぼみは無く
いわば壁ですが、腸壁がそのまま飛び出す真性憩室と言うものと
腸の壁の筋肉層の弱いところに粘膜などが突出する仮性憩室と
2種類がありますが、ほとんどが仮性憩室と言われています。
この憩室の原因ですが、食事の欧米化で肉食が増え食物繊維の
摂取が減り、便秘がひどくなり腸圧が高くなってくると、弱い
部分が脱出すると言う事になります。
このようなことは、加齢によって危険度が増える傾向にあります。
憩室があってもほとんどの場合、無症状ですが、下痢や軟便とか
便秘などの便通異常が出たり、腹部膨満感や腹痛などの症状が
出たりします。
しかし、ここまでですとそんなに強い症状でもないので、大抵は
放置してしまいます。
怖いのは憩室炎として、炎症になった場合です。
炎症ですので、腹痛はひどくなり、発熱も伴いますが、
炎症がさらにひどくなると腸に穴が開く穿孔性腹膜炎や狭窄に
よる腸閉塞などを生じることがあります。
大腸憩室炎の治療と予防
憩室炎
憩室炎になって、ひどい腹痛の場合、放置してはいけないですが、
やはり痛みのため病院に行きます。
この病気の治療は、まず絶食して点滴栄養で4~5日様子を見ます。
次に重湯とか徐々に食事を普通に戻していきます。
ただ、炎症がありますので、抗生物質も併用していきます。
穿孔が生じている場合は、上記のような療法ではなく手術に
なり、術後は徐々に食事を戻していきます。
穿孔が無い場合は1週間~10日程度で退院できます。
憩室炎の予防は、食生活の改善が必要で、朝食は抜かず、
肉食をできるだけ魚に替えます。
なんといっても、便秘が怖いので、食物繊維が豊富な野菜や
芋類、豆類を積極的に摂取します。
ただ、憩室はくぼみですので、消化しづらいようなものは、この
くぼみに入ってしまい炎症を起こす可能性がありますので
否定説もありますが出来るだけ避けた方がいいのです。
具体的には細かい種があるイチゴなどのベリー類、ごま
トマト、きゅうりや消化しにくいナッツ類があります。
憩室は、それがための診察をうけなければ、なかなか
みつかりませんが、たまたま健康診断で大腸検査で
見つかることがある程度です。
生活習慣病の予防にも役立ちますので、欧米化した
食生活を見直すことで、憩室も予防できますので一石二鳥
と言う事です。