PM2.5の環境基準
PM2.5とは
最近テレビや新聞などでPM2.5と言う文字をよく見かけるように
なりました。
このPM2.5と言う事ですが、英語でparticulate matter(粒子状物質)と
いう頭文字にある数値を付けた言葉なのです。
このある数値ですが、粒子状物質の大きさ(直径)を表していて
以前からあるアメリカや欧州連合 (EU)、次いで世界保健機関 (WHO)が
環境基準として粒子状物質の大きさの基準が、PM10と言う数値です。
この10とか2.5と言うのは粒子状物質の大きさ(直径)でしたが、
その単位はマイクロメートル (μm) で1マイクロメートルは0.001㎜と
なりますので、PM10では0.01㎜になり、PM2.5は0.0025㎜になります。
ちなみに人の髪の毛と比較すると、髪の毛は大体0.05㎜~0.15㎜ですので
PM2.5の粒子は20~60分の1程度となり、その小ささがわかると思います。
一応下の図ぐらいの大きさ比較になります。
さてこの粒子状物質の正体ですが、物の燃焼によって直接排出される
物とガス状大気汚染物質の揮発性有機化合物(VOC)、硫黄酸化物(SOx)、
窒素酸化物(NOx)や黄砂や粉塵や花粉等もその内容となります。
これらの環境汚染物質は、もともと日本でも問題となって、政府も
その対策(自動車NOx・PM法等)を取ってきて効果も上がってきている
所です。
一方、昔もあったのですが最近中国では日中でも視界が効かないぐらい
の大気汚染(スモッグ)が問題となっており、この大気汚染物質と
さらに黄砂が、偏西風に乗って日本にやってきています。
中国の大気汚染のPM2.5の原因は、国内産の安い石炭を環境設備も
十分でない設備で燃焼させて、暖房をしたり、家庭では質の悪い
練炭で暖を取ると言う事で、大気汚染物質が大量に発生しています。
さらに、中国の大都市での自動車の増加で、これも中国の特性ですが
供給者が儲かるようにと質の悪いガソリンが蔓延していて、大気汚染
物質増加に拍車をかけています。
PM2.5の環境基準
日本では、健康を害することが無いように環境基本法と言う法律第16条第1項
に、環境基準といものが定めてあります。
それによると
1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下
となっていますが、この数値は、呼吸器疾患・循環器疾患と肺がんに
関する国内外の疫学知見を基に検討したものです。 (平成21年9月設定)
その後、平成25年2月27日に専門家会合報告が取りまとめられ、注意喚起の
ための暫定的な指針が示されました。
この暫定的な指針に基づいて各都道府県や市などで具体的な
行動基準などが定められています。