羽毛布団の寿命と圧縮袋
羽毛布団の寿命?
羽毛布団とは、水鳥の主にグース(ガチョウ)やダック(アヒル)
のダウンを中綿に使う布団です。
このダウン(羽毛)ですが、水鳥の胸から腹にかけて生えている、
綿のようなものです。
このダウンが中綿の50%以上なければ羽毛布団とは言えないことに
業界の基準ではなっています。
ただ自主基準ですので、粗悪品に羽毛布団と書いてあるものもあり、
注意が必要です。
通常ダウンを使った布団は主に掛布団にされます。
羽毛布団の作成の様子
羽毛布団の良さは、綿布団(冬)は4,5キロもありますが、
羽毛布団では、1,2キロ前後と軽いのです。
ただ、値段が安いのに、多く詰まっている製品は、粗悪な
ダウンが入っている可能性があります。
羽毛布団は、寒い時期にはダウンが開き空気を抱き込んで、
保温性が高まります。
逆に夏の時期には、ダウンの性質で寒い時とは逆で、空気を
抱き込まないようになるため、通気性が高まり熱がこもらないと
いう特徴があります。
ダウンの入っている率ですが、80%以上のものでないと
保温性に問題が出てきます。
業界では、ダウンの含有率が90%以上と言えるのは、機械選別に
加え、手作業によっても選別をしたものと言うことになっているので、
だいぶ良いものとなります。
あるメーカのグースダウンの手作業での選別の様子
羽毛布団と言っても中綿に使用される水鳥の種類でも超高級~普通と
ランクが付きます。
超高級なものはアイダーと言う鶏の羽毛を使ったものです。
このアイダ―と言う鶏ですが、この鳥はアイスランドを中心に
北極圏周辺に生息する野生のアヒルの仲間なのです。
このアイダ―は抱卵の時に寒さから卵を守るために、巣に自分の
ダウンをむしりそして巣を作ります。
巣立ちした後でこのダウンを集めて利用するのでとても貴重なものです。
アイダ―の羽毛
次に高級なものはグース(ガチョウ)の羽毛になります。
産卵のため飼育されているマザーグースは食用グースより、羽枝が長く
ボリュームのある羽毛が特徴で少量で保温性に優れていて、耐久性にも
優れています。
最後はダック(アヒル)ダウンになります。
ダックダウンボールですが、アイダーとの違いは分かるかな~
食用ダックよりマザーダックの方がダウンとしては機能が上となります。
我々庶民には、最高級とは値段を見ることで「なるほど!」と
納得しますが、シングルもので値段を比較しました。
最高級はアイダ―ダウンの場合50万円以上します。
次にマザーグース : 10万円以上
グース : 5万円以上
ダック : 3万円以上
と言う事になりますが、この値段はおおよそですが、これに
産地でグレードが変わり、最高はアイスランド産で、以下ポーランド、
ハンガリー、中国・フランスとなっています。
さて、羽毛布団の寿命と言う事ですが、大体10年が目安です。
中には20年ぐらい使っている人もいるようですが、やはり
10年ぐらいたつと、かさも減ってきますし、外の生地も
劣化してきます。
リホーム(打ち直し)と言う手もあり、このリホーム(打ち直し)は、
ダウンを洗浄して、側生地を新しくするサービスであり、
これを繰り返せは30年ぐらいは持つようです。
リホームの費用もダックダウンで2万円前後するので、元が
安かったの物は買い替えの方がいい場合もあります。
羽毛布団の圧縮袋
羽毛布団は通年使用することもできますので、その場合は、
収納を考える必要はありません。
羽毛の特徴として、温度が熱くなると空気を抱かなくなり、
通気がよくなり、また側生地もサラサラ言って気持ちいいものです。
そうは言っても、暑い時期に使用しないという家も多いと
思いますので、収納が問題となります。
羽毛布団の圧縮袋の実演
最近は、布団や洋服を圧縮袋に入れ、掃除機で中の空気を
排出すると、かさが3分の1以下になる製品が売っています。
羽毛布団はすごく空気を持ていますので、圧縮するとそれこそ
かさが10分の1ぐらいになりそうです。
しかし、羽根布団などの中綿にはスモールフェザーと言う
小さな軽い羽根が使われていますので、空気を抜いて圧縮して
行くと、軸の部分や羽根の部分が折れると言う事になります。
したがって、元のようなかさには戻らなくなります。
次に、羽毛布団ですが、80%以上のものは問題ないという
人もいますが、やはり鳥の羽毛ですので圧縮度合が高くなると
やはり折れ曲がるといったリスクはあると思います。
したがって、軽度の圧縮をする場合で80%以上のものでは
利用もできそうですが、高い圧縮を掛けてしまうと、もとに
戻らない可能性があるため、高級品ほどやめておいた方が
いいのではと思います。